多変量解析の概要・種類

目次

 多変量解析の種類・選び方

 多変量解析には数多くの解析手法があります。

どの手法も「目的変数のある場合の多変量解析」「目的変数のない場合の多変量解析」のどちらかに分類されます。

目的変数のある場合の多変量解析とは

 多変量解析では「結果」のことを目的変数、「原因」のことを説明変数といいます。

目的変数のある場合の多変量解析は、目的変数に対する影響要因の解明・予測をするために適用されます。

目的変数と説明変数の関係から関係式(予測モデル式)を作成し、関係式から次のことを明らかにします。
・説明変数の目的変数に対する影響度
・説明変数の重要度ランキング
・予測 → 関係式(予測モデル式)を用いて予測値を算出

使用するデータタイプにより解析手法が決まります。

<解析例>

・営業活動量から売上を予測

・学業成績から有名校の合格予測

・健康診断からがん判別の予測

・入社時の自己アピールや決意表明から配属部署の判定

※上記では、黄色線の内容が目的変数となります。

目的変数のない場合の多変量解析とは

 目的変数のない場合の多変量解析は、数多くある変数(データ)を要約するために適用されます。
類似度・分類、ポジショニング、グルーピングなどを通して、背後に潜んでいる要因を導き出します。

説明変数相互の関係を調べ、潜在変数(新しい概念の要素)を導く関係式を作成し、関係式から次のことを明らかにします。
・潜在変数のネーミングと解釈
・説明変数の潜在変数への影響度
・各個体の潜在変数における得点と予測

使用するデータタイプにより解析手法が決まります。

<解析例>

・タレントのキャラクター(総合能力を仮定する)
・文系、理系の能力の把握
・他人からどのような性格と思われているか
・性格、血液型で人々をポジショニング(得点化)
・回答者間、質問項目間の距離を調べ消費者をグループ化

多変量解析の手法の一つ「共分散構造分析(SEM)」

 共分散構造分析(SEM)は、項目間(変数間)の因果関係について仮説を立て、それが正しいかどうかを検証します。

「目的変数のある場合の多変量解析」「目的変数のない場合の多変量解析」には分類されませんが、多変量解析の手法の一つとなります。

多変量解析を行う上で、注意すること


 目的変数・説明変数として使用するデータタイプは解析手法に適している

 説明変数として使用するデータは選び方にルールがある ( 希望するデータを全て使うことができない)

 説明変数の相互の相関を調べ、相関が高い項目は解析データとして使わない

 分析精度・予測精度はクリアしている

 説明変数のデータがすべて同じ値の場合は適用できない

 数値以外のデータ、欠損値がある個体は解析から除外される

 データ数に条件がある解析手法を使用する場合、条件をクリアしている

 多変量解析を行う前に、現状分析(基本統計量・単純集計・クロス集計)を行い、データの傾向を把握する

分析精度・予測精度を上げるためには、説明変数の選び方が重要となります!


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