統計的検定で最初にすることは「対立仮説(主張したいこと)」と「帰無仮説」の2つをたてることである。
対立仮説は次の3つが考えられる。
- 母平均Aと母平均Bは異なる
- 母平均Aは母平均Bより高い
- 母平均Aは母平均Bより低い
具体例
①母集団のお年玉金額平均値は男子と女子で異なる
②母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より高い
③母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より低い
①の場合、“異なる”というのは、お年玉金額平均値が、男子が女子よりも高いか低いかはわからないが、いずれにしても異なる”という意味である。この仮説の基での検定を、両側検定という。
②の“母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より高い”、あるいは③の“母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より低い”という仮説の基での検定を、片側検定という。
②の”母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より高い”という仮説の基での検定を、特に右側検定(上側検定)という。
③の”母集団のお年玉金額平均値は男子が女子より低い”という仮説の基での検定を、特に左側検定(下側検定)という。
片側検定の方が両側検定より有意差がでやすい。有意差が出やすいという理由だけで片側検定を使うのは良くない。特に理由がないかぎり、片側検定は使わない。
「お年玉金額の平均値は、男子は女子より高い」と信じることは悪いことではないが、調査をするまでは男子が女子より高いという情報がないのが通常である。したがって、「お年玉金額の平均値は、男子は女子より高い」という片側検定は望ましくない。