統計的検定の仕方を示す。
(1) 母集団に関して主張したい仮説とは逆の仮説 (帰無仮説) を立てる。
(2)その仮説が正しいとしたとき、標本調査の平均や割合より算出される検定統計量の分布を考える。
(3)調査結果からその検定統計量の値を計算する。
(4)検定統計量の出現する確率p値を算出する。
(5)p値があらかじめ定めておいた有意水準 (通常5%) より小さければ、帰無仮説を棄却し,大きければ帰無仮説の判定を保留する。
仮説をたてる。
主張したいこと(対立仮説)を決める。
対立仮説:「A商品の認知率は60%でない」
逆の仮説である帰無仮説は必然的に決まる
帰無仮説:「A商品の認知率は60%である」
主張したいことから両側検定か片側検定かを決める。
このテーマの主張したいことは「A商品の認知率は60%でない」なので、両側検定である。
母比率の検定の検定統計量を算出する。
母比率の検定の検定統計量は標本割合の基準値である。

検定統計量の分布を調べる。
母比率の検定における検定統計量=標本割合の基準値の分布は帰無仮説の基にz分布になる。
※検定する母数が平均、割合、分散などによって検定統計量の分布はz分布、t分布、カイ二乗分布、F分布など異なる。
z分布における検定統計量の上側確率から求められる値である。
両側検定と片側検定で異なる。
・両側検定の場合のp値 0.014 1.4%
z分布における検定統計量2.45の上側確率の2倍

・片側検定の場合のp値 0.007 0.7%
z分布における検定統計量の上側確率

p値<有意水準
帰無仮説を棄却し主張したいこと(対立仮説)を採択
有意差があるといえる。
p値≧有意水準
帰無仮説を棄却できず主張したいこと(対立仮説)を採択できない。
主張したいことの判定を保留する。
有意差があるかわからい。
「有意差があるといえない」という言い方をしてもよい。
有意水準は通常5%を適用するが1%を用いることもある。
有意水準0.05と0.01から有意差判定を次のように行うこともある。
p値<0.01 | [**] 有意水準1%で有意差がある |
0.01≦p値<0.05 | [* ] 有意水準5%で有意差がある |
p値≧0.05 | [ ] 有意水準があるといえない |