コルモゴロフ・スミルノフ検定の概要
コルモゴロフ・スミルノフ検定には1標本と2標本の2種類あるがここでは2標本コルモゴロフ・スミルノフ検定を解説する。
2標本コルモゴロフ・スミルノフ検定は、質的データの場合は選択肢が同じ、量的データの場合は階級幅が同じである二つの項目の度数分布について、確率分布の相違を検定する方法である。
コルモゴロフ・スミルノフ検定を使うにあたっての注意点
階級幅(量的データ)が同じ二つの項目の比較には、母平均の比較と確率分布の比較がある。
この検定は確率分布の比較であって、母平均の比較でない。検定結果がp値<0.05だからと言って2項目の母平均に有意差があるといってはいけない。
適合度の検定は次の手順によって行う。
コルモゴロフ・スミルノフ検定の手順
①帰無仮説を立てる
二つの項目の度数分布について確率分布は同じ
②対立仮説を立てる
二つの項目の度数分布について確率分布は異なる
③両側検定のみで片側検定はない
④検定統計量を算出
⑤2標本に累積相対度数を作成し、各カテゴリーについて差を求め、その最大値をDとする。

⑥p値を算出
n1≧40、n2≧40の時、検定統計量はカイ2乗分布に従う。
p値は、カイ二乗分布において検定統計量の上側確率の2倍である。
- p値<有意水準0.05 対立仮説が言える
- p値≧有意水準0.05 対立仮説が言えない
- n1<40、n2<40の場合、コルモゴロフ・スミルノフの検定表より 、n、有意水準0.05に対応する値を求める。
- 求められた値と検定統計量の比較で有意差判定する。
コルモゴロフ・スミルノフ検定の結果
具体例
A商品をどの程度好きかを5段階評価で聞いた。
男性100人のA商品志向度、女性100人のA商品志向度を集計し、度数分布と確率分布を求めた。

検定結果


p値<0.05より
A商品志向度の確率分布は男性と女性で異なるといえる。