ボンフェローニの概要
多重比較ボンフェローニは、3群以上の群相互の母平均の有意差を調べる検定方法である。
メリット
母集団の正規性、等分散性について頑健である。
(母集団の正規性、等分散性未知でも使える)
デメリット
5群以上では検出力が落ちる。
ボンフェローニの結果
具体例
H,M,Nの3メーカーの洗濯機ユーザーの評価調査を行った。
3メーカーの平均は6点、9点、3点であった。
母集団において、メーカー間の平均に違いがあるかを検証せよ。

検定結果


p値0.0531>0.01667より、HとMの母平均は異なるといえない。
p値0.0531>0.01667より、HとNの母平均は異なるといえない。
p値0.0034<0.01667より、MとMの母平均は異なるといえる。
「Mの評価はNに比べ高いが、Hより高いといえない」ともいえる。
ボンフェローニの検定手順
標本調査の結果

検定統計量
全組み合せについて検定統計量を求める
i番目とj番目の比較の検定統計量

Veは分散分析表の群内分散
帰無仮説を立てる
全組み合せにおいて対となる母平均は等しい。
対立仮説を立てる
全組み合せにおいて対となる母平均は異なる。
ボフェローニは両側検定のみで片側検定はない。
検定統計量の分布
検定統計量は帰無仮説の基に、自由度f=n-群数のt分布になる。
p値の算出
t分布における検定統計量の上側確率の2倍
有意水準
有意水準=0.05÷組み合わせ数
p値による有意差判定
p値と有意水準を比較し有意差判定を行う。
p値<有意水準=0.05÷組み合わせ数
帰無仮説を棄却し対立仮説を採択。有意差があるといえる。
母平均の差の95%CIの算出

棄却限界値=t分布の上側確率5%の横軸の値(パーセント点)