ダネットの概要
多重比較ダネットは、1つの対照群と2つ以上の処理群があって、 母平均について 対照群と処理群の対比較のみを同時に検定するための多重比較法である。
各処理群の母平均が対照群の母平均と比べ 「異なるかどうか」だけでなく「小さいといえるか」または「大きい といえるか」を判定したい状況で用いることができる。母集団の正規性は既知、各群の母分散の同等性未知でも適用できる。
メリット
有意差が出やすい
母集団の等分散性未知でも使える
両側検定、片側検定の選択ができる
デメリット
p値が出力されない
チューキー・クレーマーの結果
具体例
ある中学校の生徒23人を無作為に選び、4グループA、B、C、Dに分けた。
生徒23人について、縄跳びの2重飛び回数をテストした。
ただし、Aの生徒は練習せずに、Bは練習した後に、CとDはその日から練習を5日間毎日(1日10分程度)した後にテストした。

検定結果

練習しない生徒(A)に比べ練習を5日間した生徒の方(C,D)が、2重飛び回数の平均は多くなるといえる。
ダネットの検定手順
- ①対照群と複数個の処理群を比較する組合せについて、平均値の差および検定統計量を算出する。
- ②有意水準0.05のダネット表から、群数、自由度に対する棄却限界値を求める。
- ③検定統計量と棄却限界値と比べる
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検定統計量≧棄却限界値なら、有意差ありと判断する。
検定統計量<棄却限界値なら、有意差なしと判断する。