母比率ライアン多重比較の概要
母比率ライアン多重比較は、3群以上の群相互の母比率(母集団の割合)の有意差を調べる検定方法である。
メリット
1.0の2値データのみならず、集計した割合表にも適用できる。
正規性はとわない。
デメリット
p値がでない。
母比率ライアン多重比較の結果
具体例
ある商品について、年代別の保有率を調査した。
商品保有率は年代によって違いがあるかをライアン多重比較で検証せよ。

検定結果
割合差分>RDなら有意差があるといえる。

割合差分の降順で並べ替えて出力される。
20才代と30才代、50才代と60才代で有意差は見られなかった。
他の年代間では有意差があった。
母比率ライアン多重比較の検定手順
群数:k 全データ数:n とする。
- ①各群の割合を小さい順に並べる。
- ②比較する2群の回答数をnL、nR、保有率をPL、PRとする。
-
2群間の保有率差分Pを算出する。
- ③比較する群とそれら群の間にある群の個数mを算出する。
- ④平均比率Rを算出する。
-
比較する群とそれら群の間にある群の回答数を合計する。・・・ a
比較する群とそれら群の間にある群の保有数を合計する。・・・ b
R=b÷a
- ⑤両群間の差の標準誤差 SEを算出する
-
SEは次式によって求められる。
- ⑥両群間の名義的有意水準zを算出する。
-
α’=2α/(k(m-1)) ただし、α=0.05、k=群数
名義的有意水準zはz分布(標準正規分布)に おける上側確率α’/2の横軸の値
- ⑦RDを求める。
-
RD=SE×z
- ⑧保有率差分PとRDを比較し有意差を判定する。
-
保有率差分P>RDなら、有意差があるといえる。
保有率差分P≦RDなら、有意差があるといえない。